
級ですときいたとき、がっかりしました。なかよしの人があいさつにきたとき、ぱっと目についたのが、のり子ちゃんでした。私はその時、あの人だけはいやだなあと思いました。ところが、そののり子ちゃんの受けもちになってしまいました。”ああ、もういやだなあ”とまた思いました。遠足の日がきました。10分ぐらいはだまって歩いてくれました。でもそれからは“もうかえる”といって、いうことを聞いてくれません」
そこでこの子どもは、のり子ちゃんをおんぶして遠足を続けました。作文の最後に、こう書いています。
「今度遠足があったら、もう一度のり子ちゃんといっしょに行きたいなあと思っています」
この子どもは一日の遠足で、障害のある子どもについて勉強したわけでも、理解を深めたわけでもありません。ただ手をつなぎ、おんぶしたという、からだでのふれあいが、「もう一度のり子ちゃんと行きたい」と気持ちを変えさせてしまったのです。頭の中での理解よりも、ふれ合うことの大切さを、これは示しています。
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